道路におちていた魚の秘密

川沿いの道を散歩していたある昼下がり、ふと道端の電信柱の下に目をやって驚きました。
小魚が2匹落ちているのです。
ぎょっとした直後、ああ生ごみの日だから猫がゴミ袋を破いたんだな、と納得しました。

次の日、同じところを歩いていてまたふと、同じ電信柱の下を見たら昨日の小魚が3匹になっているのです。
一度納得したはずなのに、どう理解してよいものか頭の中が疑問だらけになりました。

そしてまた次の日、さすがに片付いているだろうと思ってちらりと同じところに目をやると、今度はほんの数センチ離れたところにまた新たな1匹が。

ごくまれに、海も無いところに大量の魚が空から降ってきた、というニュースがありますが、今回もそれなのか(規模は小さいけれど)と思って空を見上げてみました。
すると、魚が落ちている電信柱の上に、カワウという黒い鵜の仲間が一羽止まっていました。

ああ、とようやく合点がいきました。
ウといえば鵜飼でよく見るように魚をのどにためることが出来るので、このカワウも川でとった小魚を、一回のどに入れてここまで運んできたのでしょう。
なるほど、野生でも鵜は鵜なんだなあと、鳥の生態を直に見たようで嬉しくなって帰りました。

ただ今になって考えてみると、あのカワウは何故魚を食べずに吐き出したのか、それともそもそもあれはカワウの仕業ではなく、偶然あそこにあったのか。
解けるはずのない新たな疑問が出てくるのです。
あの時あんなにすっきりしたのに、と残念でなりません。

道路工事と作業員

毎年年度末が近付いてくるとそこらかしこで道路工事を見かけるのはもはや風物詩であるかもしれません。
そのこと自体は仕方ないにしても、どうしても自動車に乗っていると道路工事が邪魔だと思ってしまうことは否めません。

しかしだからといって工事作業員や誘導員にあたってしまうのは筋違いというものです。
通行の妨げになって不満に思う気持ちも分かりますが彼らは自らの仕事を全うしているだけであり、道路工事自体の責任の所在は彼らにあるわけではないのですから。
それでも不満に思ってしまう方は発想の転換をしてみると彼らの仕事の大変さが良くわかります。
道路工事というものはその名の通り道路で行われるものであり、自動車やバイク、自転車に歩行者など様々な人々が通るその道で働いているわけです。
こういった場合ついついドライバー目線でのみ考えがちですが、彼らの目線に立って考えてみるとその大変さが良くわかります。
特に誘導員はスピードを出して走ってくる車を自らの誘導で行き来させねばならないわけであります。
止まってくれる「だろう」と分かっているとはいえ普通に走ってくる車を迎えながら自分の身一つで止めるということがどれだけ恐ろしいことでしょうか。
何かの拍子にドライバーが運転をミスってしまったら一番に危険が及ぶのは誘導員なのですから。
なので極端なことでも何でもなく、誘導員や工事作業員は事故と隣り合わせの作業をしているとすら言えるのです。
そう考えると自分の身一つで仕事をしている彼らの大変さが良くわかるのではないかと私は思うのです。

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