お金がたくさんあったら本当に幸せか
子供の頃、お金に余裕のない家庭で育ったためか、大人になったらたくさんお金を稼げる人になりたいとずっと思っていました。
いつでも好きな物を買うことができて、いつでも好きな物を好きなだけ食べることができます。
それに、行きたいところにもどんどん行くことができます。
洋服も可愛いものをたくさん買って、毎日おしゃれすることができるんです。
そんな理想の生活を漠然と考えて暮らしてきました。
そして学校を卒業すると、その願いはいとも簡単に叶えられました。
景気の良かった時代だったので、良い就職先が溢れんばかりにありました。
お休みも多いですし、お給料も悪くありません。
自分で稼ぎ出せるようになって、自分の力で何でもできるのだと本当に嬉しく思ったものです。
ただ、仕事自体はそれほど面白くは感じませんでした。
お金の為に頑張って働いてはいたのですが、いつのまにか自分が何の為に働いているのか分からなくなっていたのです。
今にして思えば、本当に贅沢なことですし呆れてしまうことです。
それがどんなに恵まれていたことなのか、その時の私には分からなかったのです。
でも、見方によっては一つ大切なことを学んでいたと言えるかもしれません。
どんなにお金がたくさんあっても、それと幸せとは正比例はしないという事です。
それについては、その後夢を追いかけて風呂なしアパートで生活し始めた時に分かるようになります。
考えて節約しながら生活していても、不思議な力が漲ってくるのです。
本当に面白いものです。
お金で苦労して、お金に執着してみたけれど結局そうでない生活の方が幸せだったと気が付いたのですから。