受験

私は三度受験を体験した。
大学受験の話だ。
ということは、私は二度浪人していることになるが、その理由についてはまた今度話そうと思う。
受験は成功と失敗が完全に二分されるという貴重な機会だと思う。

一度目の受験はもちろん高校生の時だ。
サッカー部に打ち込んでいた私は、中学の時の成績とかけ離れ、初めてクラスや学年の順位が下の方になってしまった。
はじめはショックだったが、サッカーをやっているから仕方が無いと自分に言い聞かせている内に、その環境に慣れていってしまったように思う。
それでも、成績が悪いということはやはり気になるし、目標としていた大学もはっきりあったから、勉強を諦めたということはまるでなかった。
高校三年の夏、高体連の大会で負け、サッカー部を引退した。
進学校ということもあって、引退してからはすぐ勉強モードに切り替えることができた。
これからはずっと勉強するんだという強い気持ち、絶対浪人はしないという誓いを胸に私は人一倍勉強した。
ここからの頑張りは、学校で一番だったのではないかと思うし、客観的に見てもそうだと友人から言われたのは嬉しかった。
ただ、部活に入っていなかった人達はそれまでずっと勉強してきたわけだし、私が部活を引退するまでの二年と数カ月の彼らの頑張りは無視できるものではない。
元が低かっただけに一気に成績が急上昇し、上位に食い込むようにはなった。
ただ、志望校に合格する可能性が高いというところまでは行かなかった。
それでも私は今まで頑張って他の苦難を乗り越えて来たし、この学校でも一番頑張った自分が落ちるなんてことがあるわけないと信じ、志望校は変更せず受験した。
しかし、落ちてしまった。

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