大人になることへの希望
子供の頃、早く大人になりたくて仕方なかったのを覚えています。
大人になったら自由だから、などという高度な考えではありません。
大人になったらお酒が飲める、というのは一因ですが、当時の私にとってはもっと憧れていることがあったのです。
それは、コーヒーと栄養ドリンクを飲むこと。
小学生ぐらいまで、私はコーヒーと栄養ドリンクも20歳以上しか飲んではいけないものだと思っていました。
親達が自動販売機で缶コーヒーを買うときも、薬局で栄養ドリンクを買っているときも、自分には遠い存在だと思い、ちょっと一口もらいたいのをぐっと我慢していたものです。
別に誰かにそう言われたのではなく勝手な思い込みで、自分のやっていいことの範囲を狭めている訳なのですが、「大人になったら出来ること」に対する希望がどんどん膨らんでいきました。
実際20歳をすぎると、大人になったから出来ることは格段に増えましたが、大人になってしまったからこそ出来ないことも、多々あることに気づかされました。
公園の遊具ではなかなか遊べないですし、ずる休みもできません。
税金と年金を払わないといけないことや、働いて毎月食べていける分を稼いでいかなくてはいけないことも、当時は想像もしていなかったことですから。
それでも、昔の自分の希望は叶えてやれたのだと思います。
コーヒーも栄養ドリンクも飲めますし、今ではマンガ全巻大人買い、なんてこともたまにはできます。
これはきっと相当羨ましがられるでしょうね。
そういえばもう一つ、コンタクトレンズも20歳以上しかだめだと思っていました。
何故そう思ったのか皆目検討はつきませんが…。
これも、幸か不幸か大人になって希望が叶った一つです。