ビッグマウスのひとたち
スポーツ選手の中には、よく「ビッグマウスだ」と言われる人たちがいます。
大した実力もないくせに自分はすごい、とか、お前みたいな弱いやつには絶対に負けない、といったような大きいことを言う人たち。
と、私も確かに前は思っていました。
特にプロレスとかボクシングなんかの1対1で行うことの多いスポーツは、よりこの傾向が強いように思います。
よく記者会見の席でお互いを挑発しあっている姿を見ますが、ハラハラしてしまって気が気ではありませんでした。
でも、誰かが言っていましたけれど、ああいう大きいことを言う人たち、あれは自分に向けて言っている部分も多々あるらしいです。
大きいことを言ってしまえば、もうみっともない結果は残せないから、自分に逃げ道を与えないようにそう言っている。
そして自分を鼓舞するために強いことを言っている。
それを聞いたとき、この人たちは周りにどう思われるかを気にしているのではなくて、あくまで自分と戦っているのだと、目から鱗が落ちました。
中にはもちろん、ただただ相手を挑発しているだけだったり、実力以上のこと言っているだけの人もいるでしょうけれど、そういう人は本当のプロではないのですね。
後には引けない状況を自ら作り出している人たち、何て強靭な精神力なのでしょうか。
そんなぎりぎりのところで戦っている心境を想像するだけで、こちらの心まで千々に乱れるようです。
よっぽど自分の実力と弱点を知っているのでしょう。
こういう内面の葛藤が見えるからこそ、人はスポーツ観戦に夢中になるのだなと思いました。