名づけ名人の息子と祖母の夏休み
野菜を育てている祖母の家に遊びに行った夏休み。
私の祖母なのでもう歳は91歳なのですが、すごく元気で野良仕事を毎日やっています。
その祖母と私の子が一緒に畑で雑草を取ったり、水を上げたりしていました。
2人の歳の差は88歳です。
それでも、祖母はひ孫を可愛がってくれ、いろんな野菜の花を見せてくれたり、採れたてのトマトを食べさせたりしてくれました。
そんな祖母が大好きになった私の息子。
でも、私の息子にはもうおばあちゃんと呼ばれている人が二人います。
そうです、主人の母と私の母です。
どう呼べばいいのかすごく考えました。
確かに「おばあちゃん」でいいのですが、それではこの先親戚が集まった時に息子はどうやって区別して呼んだらいいのかわからなくなってしまうのではないかと思いました。
下の娘の世話をしていたら、そのことが頭から抜け出てしまい、忘れていた私。
そろそろお昼ごはんの時間だと思って、畑に戻り、祖母と息子を呼びに戻りました。
息子の名前を呼んで振り向いた瞬間…息子の口の周りが緑色に染まっていたのです。
もう私は恐怖を感じるほどの色でびっくりしてしまいました。
そして息子の口を拭こうと近づくとすごく匂いがします。
特徴のある緑の物体の匂いを嗅いでいると「この子は葉物が好きみたいだね、パセリをたくさん食べたらこんなになったんだよ。」とおばあちゃんが教えてくれました。
すると息子はさらに真緑に近い口を大きく開けて中身を見せながら「髪の毛の白いばあばが食べていいよってくれたの!」と私に教えてくれたのです。
私はこの子がパセリをたくさん食べていたことよりも、口が真緑なことよりも祖母のことを「髪の毛の白いばあば」と言ったことが何よりも驚きました。
確かに他のばあばは髪の毛が黒い…。
いつか2人のおばあちゃんも髪の毛の白いばあばと呼ばれる日が来るのでしょうが、しばらくは祖母をそう言ってくれる息子の思いを楽しみたいと思いました。