Dreams come true

娘がよく将来の夢を口にする。
ペットショップ、アイドルになりたい、お菓子屋さんになりたい、フィギュアスケーターになりたい、などどんどん増えていく。
いっぱいあってどれになるか悩んでる姿が微笑ましい。

ふと先日、またいつものように将来の夢を語りだし、紙に書いていた。
今日は何が増えるのかと見ていると、はっとした顔で書くのを辞めた。
「やっぱダメだ!将来の夢、やっぱりやめる!」と娘。
どうしたの急にと思っていると
「将来の夢はママとずーっと一緒にいること!ずっと一緒にいたい!」
そう言って飛んで抱きついてきた。
将来の夢と言えるのかは疑問だが、すごく嬉しかった。
どうやらどれかの将来の夢を叶えたら、ママと一緒にいられないと考えてるらしい。
シングルマザーとして娘と二人で暮らしていたこともあった。
今は実家に戻り、両親に手伝ってもらいながらの生活だ。
離婚をしたのは1歳過ぎの頃で、娘に父親の記憶はない。
そしてその頃から私はずっと仕事をしていて、親の反対を押し切って娘との二人暮らしを選び、託児所に預けていた期間もある。
初めて託児所に預けるときは不安もあってか娘は泣いてしまい、仕事に向かうその道で泣き顔を思い出して私も泣いたのを今でも鮮明に覚えている。
私が仕事に行こうとすると、だだをこねたり泣いたりすることも少なくなかった。
でも生活がかかっているからやむを得ない。
寂しい思いをさせたくなくても働かなければならない。
二人暮らしをして1年くらい経ったころ。
「ママはパパで、パパはママでしょ」という娘の言葉が胸にぐっときた。
3歳になるかどうかの娘が、何を思ってそんなことを口にしたのかはわからない。
しかし、子どもながらに何か感じとってくれていたのだろう。
仕事に行こうとすると泣くくせは実家に戻ってから、また再発ししばらく続いた。
「寂しい」という言葉を率直に言われるよりも、涙を流す顔を見るのが辛かった。
ごめんね、ごめんねと何度も心の中でつぶやいた。
寂しい思いをさせてはいるが、間違ったことはしていない。
娘にとっての親は私だけなのだ。
愛情を注ぐだけでは生活はできない。
今は寂しくても悲しくても、ママが頑張って働けていたのは私たち二人のためであり、娘がいてくれたからこそだというのをいつか分かってくれる日がきてくれたら嬉しい。
もし私が離婚もしていなくて、専業主婦だったら娘の将来の夢に
「ママとずっと一緒にいたい」という候補は出てこなかったのではないかと思う。
寂しい思いをさせてしまっているからこそ、将来の夢がママと一緒と言ったのだろうが、幸せな気持ちになれた。
いずれ大人になったら娘からきっと離れていってしまうのだろうと思うと寂しい。
一緒にいられる時間は、他の家庭の比べたら少ないだろう。
でもだからこそ今のその貴重な時間を大切にしたい。

「ママ、大好き」と言って抱きついてくる娘に、その何倍もの愛してるを込めて抱きしめ返す。
愛しい娘、いつも笑顔を絶やさずに、優しく素直で健康に育って。
何かあったら何でも話して欲しい。
ママは親らしくない頼りないママだから、仲良しな姉妹や親友のような親子になれたらいいな。

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