認められた日
お付き合いを初めて、彼の周りの人に「彼女です」と紹介されるときがやってくる。
そのときにやっと、周りからも認められたようで嬉しくなる。
最近では、今付き合っている彼の会社の重役に紹介されたことが嬉しかった。
直属の上司や、あまり普段顔は合わせないがお世話になっている常務など。
会社のパーティーがあったときに、「奥様も一緒にどうぞ」というご招待で、私も誘ってくれたのだ。
そのときに社長にもお会いして、ご挨拶をすることができた。
細かいことだが、結婚しているならば「いつも主人がお世話になっております」という挨拶で問題ないが、付き合っているが入籍したわけではない。
「いつも○○が」の部分になんと入れたほうがいいのか悩んだ。
そもそも、それは出しゃばりすぎていないか?などと考えている途中で社長と挨拶を交わすことになり、結局は「初めまして。
いつもお世話になっております」と咄嗟に出たので、なんとなくまとまった。
「噂には聞いてたけど、お前良かったなぁ!」と彼は冷やかされていて、なんとなくそのやり取りが目の前で繰り広げられていること自体が嬉しい時間だった。
それから、男同士の飲み会に誘ってくれるのも嬉しいことだ。
しかもあちらから。
男だけでサシで飲むときに、私がいるのはどうなんだろう?と遠慮しようとしていたが、ぜひ、とのことで参加させてもらった。
高校時代からの友人らしく、互いに違う職種だが、熱い話で盛り上がっていて、そんな彼の横顔を隣で見られることも嬉しい時間だ。
別れ際、彼がトイレに立っているとき、「ああ見えて、意外と打たれ弱いところあるから、しっかり支えてあげてね」と言われたときは、より「認められた」感を感じた。