食の好み

元々精神的に強い方だが、本格的に落ち込むようなことが起きるととことんダメになる。
なんといっても、胃にきてしまう。
食欲が無くなり、食べ物を見ることも調理することも嫌になるのだ。

いつも眺めているレシピ集があるが、鮮やかに彩られたサラダや美味しそうにカラッと揚がった唐揚げも、見ているだけで胃液が上がってくるようだ。
一度こんな状態になってしまうと、3,4日は大変だ。
何も食べていないので、常に胃が空っぽの状態。

お茶もコーヒーも受け付けないので、ひたすら常温の水を飲む。
この水さえも、だんだんと受け入れられなくなるほど胃が荒れていると飲むのが辛くなる。
臓器だけでなく、全身に栄養が行き渡っていないのがよく分かり、せめて水分だけでも、と無理矢理飲んでも戻してしまうのだ。
食欲がないと、すべての欲が無くなる。

物欲もなくなり、なにかしたいという気力がなくなっていく。
横になっても仕方がないのに、ただただ横になってぼーっと時間をすごすしかないのだ。
これまでの人生、何度かこのような状態になったことがあるので、回復する方法を自分では分かっているつもりだ。
ゼリードリンクタイプの飲料をなんとか買いにいくところから始まる。

おむすび1個分ほどのカロリーのゼリードリンクを飲むが、なかなか受け入れられないため、1日1個くらいのペースで飲む。
まだまだ胃に余裕があるが、何かを食べても戻さない癖をつけることが大事。
調理する気力ももちろんないので、豆腐サラダなどを購入してドレッシングだけをかけて食べる。
一食で食べきれないものは、残したり思い切って捨てる。

ちょっとずつだが食べられるものが増えて、急に食べたいものが頭に浮かび出す。
いつもならカロリーや食べる順序が気になるが、気持ちのままに買って食べる。
この繰り返しで、自分なりのリハビリをする。
本調子に戻るには一週間以上はかかるが、なんとか踏ん張ろう。

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